子育て世代のセックスレスはなぜ起きる?夫婦の“夜”が消える5つの要因

子育て世代にセックスレスが多いのは自然なこと?
「子どもが生まれてから夫婦の夜がなくなった」
「妻が母親になってから全然応じてくれない」
こうした悩みは珍しくありません。
実際、厚生労働省や家族計画協会の調査でも、セックスレスは 30代〜40代に特に多い ことがわかっています。
決して「自分たちだけがおかしい」のではなく、子育てという大きな環境変化が背景にある自然な現象でもあるのです。
しかし、そのまま放置すると夫婦関係に深刻な影響を及ぼすことも。
まずは「なぜ夜が消えてしまうのか」を理解することが、改善への第一歩になります。
夫婦の“夜”が消える5つの要因
① 出産による体調・ホルモンの変化
出産後の女性はホルモンバランスが大きく変化し、性欲が低下するケースが少なくありません。
さらに産後は体調不良や性交痛が生じやすく、「応じたいけれど体がついてこない」という状況に。
夫にとっては「拒否されている」と感じても、妻にとっては生理的・医学的な背景があるのです。
② 育児と家事の疲労で心身に余裕がない
授乳や夜泣き、オムツ替えに加え、家事もこなす毎日。
妻は一日の終わりにはエネルギーを使い果たしてしまい、夜に夫に向ける余力が残りません。
「寝られるときに寝たい」という切実な思いが、夜の時間を奪っていきます。
③ 母親モード優先で「妻・女性」の意識が薄れる
出産を機に、妻の役割は「母親」としての側面が圧倒的に強まります。
夫は「子どもの父親」としての存在感が大きくなり、性的な対象から外れやすくなります。
妻が「母」であることに全力を注ぐあまり、「女性」としての感覚を持つ余裕がなくなってしまうのです。
④ 夫婦の生活リズムが合わなくなる
夫は仕事で帰宅が遅い、妻は子どもと共に早寝早起き。
生活リズムがすれ違うと、夫婦がリラックスして同じ時間を過ごす機会が激減します。
結果、「誘うタイミングがない」という状況が常態化します。
⑤ 夫への不満や心理的距離がレスを固定化する
「家事を手伝ってくれない」「自分ばかりが育児している」
こうした不満が積み重なると、心の距離が広がり、体を委ねることが難しくなります。
セックスは「信頼と愛情の延長」であり、それが崩れれば自然とレスにつながります。
放置するとどうなる?子育て世代レスのリスク
「子どもが小さいうちは仕方ない」と放置する夫婦も多いでしょう。
しかし長期化すると、以下のリスクが現実味を帯びてきます。
夫婦が「育児の共同経営者」になる
「夫」と「妻」という関係ではなく、「子どものための共同経営者」になってしまう。
お互いを異性として意識できず、心のつながりが弱まります。
孤独感や不満が積もり、浮気・離婚のリスクに
夫は「求められない孤独」、妻は「理解されない不満」を抱え、互いに心の隙間を外に求める可能性があります。
結果として浮気や離婚の引き金になることも少なくありません。
家庭の雰囲気が子どもに影響することも
親の関係が冷え込んでいると、子どもはその空気を敏感に感じ取ります。
夫婦関係を改善することは、実は子どもの健全な成長にも直結しているのです。
子育て世代ができる改善のヒント
夜にこだわらず「夫婦の時間」を見つける
夜が難しければ、昼間の散歩や子どものお昼寝中に会話を楽しむなど、柔軟に「二人の時間」をつくりましょう。
感謝や労いを日常的に言葉で伝える
「ありがとう」「助かってるよ」――その一言が、妻に「大切にされている」という安心感を与えます。
スキンシップを「非性的」に取り戻す
手をつなぐ、ハグをする、マッサージをする。
性的な行為に直結しないスキンシップが、心の距離を縮めるきっかけになります。
家事・育児シェアで心身の余裕をつくる
妻の負担を軽減することが、レス解消の一番の近道です。
「夜の関係を取り戻す」よりも先に「生活の負担を分かち合う」ことを意識しましょう。
デート・非日常で「夫婦モード」を再起動する
外食や旅行など、非日常的な体験を通じて「夫婦」から「恋人」へと意識を戻す。
この切り替えが、再び夜の関係を取り戻す大きなきっかけになります。
まとめ|「親」である前に「夫婦」であることを忘れない
子育て世代にセックスレスが多いのは自然なこと。
しかし放置すれば「夫婦としての関係」が失われ、最悪の場合は離婚や不倫につながります。
大切なのは、「親」である前に「夫婦」であることを忘れないこと。
日常の感謝、小さなスキンシップ、生活の工夫――その積み重ねが、夫婦の夜を再び取り戻す鍵になるのです。